こんにちは。今回は、クローン病の治療に使われる「ヒュミラ」と「ステラーラ」という2つの薬について、ご紹介します。
その治療の中でも、最近よく使われるのが「生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)」というタイプの薬です。ヒュミラもステラーラも、この生物学的製剤にあたります。
🧬 ヒュミラ(Humira)とは?
ヒュミラは「抗TNFα抗体(こうティーエヌエフアルファこうたい)」と呼ばれる種類の薬です。体の中で炎症を起こす物質「TNFα(ティーエヌエフアルファ)」の働きを抑えることで、腸の炎症をやわらげてくれます。
■ どんな人に使われるの?
- 中等症〜重症のクローン病の人
- ステロイドや免疫抑制剤(アザチオプリンなど)で効果が不十分な場合
- 生物学的製剤を初めて使う人によく選ばれます
■ 投与のしかた・頻度
- 初めは皮下注射をして、体に薬をしっかり届けます
- その後は2週に1回、40mgの皮下注射が基本です
- 自宅で自分で打てるようになる人も多いです
🧬 ステラーラ(Stelara)とは?
ステラーラは「IL-12・IL-23」という炎症に関わる物質の働きをブロックする薬です。ヒュミラとは違う仕組みで炎症を抑えてくれます。
■ どんな人に使われるの?
- 中等症〜重症のクローン病の人
- 抗TNFα製剤(ヒュミラなど)が効かなかったり、副作用で使えない人
- 他の治療が合わなかった人に、新しい選択肢として使われます
■ 投与のしかた・頻度
- 初回は病院で点滴を受けます(1回のみ)
- その8週間後からは8週間に1回、皮下注射になります
- ヒュミラよりも注射の回数が少なく、負担が少ないと感じる人もいます
✅ まとめ:どっちが良い薬なの?
比較ポイント | ヒュミラ | ステラーラ |
---|---|---|
主な対象 | 初めて生物学的製剤を使う人 | 他の薬が合わなかった人 |
投与方法 | 皮下注射(自宅可) | 点滴→皮下注射 |
投与頻度 | 2週に1回 | 8週に1回 |
効果 | 高い効果が期待されるが、人によって差がある | ヒュミラが合わない人にも効果があることが多い |
どちらも、炎症を抑えて症状を落ち着かせるために重要な薬です。ただし、効果には個人差があるため、医師と相談して自分に合った治療を選ぶことが大切です。
💬 さいご、実体験より
私は幸運なことにクローン病の症状が発症時から軽症のため、ペンタサ顆粒とエレンタールのみの服用のため、今回紹介した薬は二つとも使ったことがありません。しかし、患者会に参加すると使用している方が多く、自分も知っておいたほうが絶対よいと思い、今回の記事のテーマにしました。
クローン病は長く付き合っていく必要のある病気ですが、今は効果的な治療薬も増えてきています。ヒュミラやステラーラは、その代表的な選択肢の一つです。
「どちらを使うべきか迷っている」「副作用が心配」という場合は、遠慮なく主治医に相談してみてください。自分に合った治療法を見つけることで、日常生活の質(QOL)も大きく変わってきます。
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