♯45クローン病と肝臓の関係|見逃してはいけない肝機能異常のサイン(実体験を交えて)

医療関連(症状、薬など)

こんにちは。今回は、クローン病と肝臓の関係について取り上げます。

先月、大学病院で受診をした際、血液データで肝機能の数値(ALT 63、AST 110、γ-GTP 320)に異常が見つかりました。主治医からは「脂肪肝かもしれないね」と言われ、運動と減量、食生活の改善を勧められました。

肝臓も消化器ではありますが、クローン病というと「腸の病気」というイメージが強いと思います。私自身も調べて初めて知りましたが、クローン病は肝臓や胆道(胆管)にも影響を及ぼすことがあるのです。肝臓に異常が見つかることで、クローン病の活動性や治療の影響を知るヒントになることもあります。


クローン病の症状に肝臓が関係することもある

クローン病は、消化管に慢性的な炎症が起こる自己免疫性疾患です。口から肛門までのどこにでも炎症が起きる可能性がありますが、特に小腸と大腸に多く見られます。

下痢、腹痛、体重減少といった症状が中心ですが、実は消化管以外の臓器にも炎症が広がる「腸管外合併症」があります。その1つが肝臓です。


クローン病と肝臓の関係とは?

1. 肝機能異常(ALT、AST、γ-GTPの上昇)

クローン病の患者さんでは、血液検査で肝酵素の異常値が見られることがあります。ALTやAST、γ-GTPといった肝臓の数値が高くなる原因として、以下のようなものが考えられます:

  • 全身性の炎症による影響
  • 胆道の炎症や胆汁の流れの異常
  • 薬の副作用
  • 脂肪肝の合併

2. 原発性硬化性胆管炎(PSC)

クローン病の患者で注意が必要なのが、「原発性硬化性胆管炎(PSC)」という病気です。これは胆管(肝臓と腸をつなぐ管)に慢性的な炎症が起こり、胆汁の流れが悪くなる病気です。

PSCは潰瘍性大腸炎と特に関連が深いとされていますが、クローン病でも起こることがあります。進行すると肝硬変や胆管がんのリスクもあるため、定期的な検査が重要です


3. 薬剤性肝障害

クローン病の治療で使われる薬の中には、肝臓に負担をかけるものもあります。たとえば:

  • メサラジン(ペンタサ):まれに肝機能異常を起こすことがあります
  • アザチオプリンなどの免疫抑制剤:胆汁うっ滞や肝細胞障害
  • 生物学的製剤(抗TNF薬など):肝炎ウイルスの再活性化などの副作用に注意

薬を使用している場合は、定期的な血液検査で肝機能をモニタリングすることが大切です。


4. 脂肪肝や生活習慣の影響

クローン病の活動期が落ち着いていても、運動不足や食生活の乱れなどで脂肪肝になることがあります。特に、ステロイドの長期使用や栄養バランスの崩れは脂肪肝のリスクを高めます。

脂肪肝が進行すると「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」となり、肝硬変の原因にもなりかねません。


どんなときに注意が必要?

次のような場合は、肝臓への影響が疑われます。早めに医師に相談しましょう。

  • 血液検査でAST、ALT、γ-GTPが上昇している
  • 倦怠感や吐き気、黄疸(皮膚や白目が黄色い)などの症状がある
  • 新しい薬を飲み始めてから体調に変化がある
  • PSCが疑われる、または過去に指摘されたことがある

まとめ(私の場合は?)

私の場合、「脂肪肝だけではないのでは?」と気になったため、肝臓専門医にも相談しました。肝臓エコー、甲状腺、肝臓の免疫などの追加検査を受けました。

結果として:

  • エコーでは脂肪肝は認められず
  • アルコールは飲まず、胆管にも異常なし
  • 薬剤性(ペンタサ)の可能性もあるが、原因不明との診断でした

この体験については、また別の記事で詳しく記載したいと思います。


今回の記事のまとめ

クローン病は腸だけの病気ではなく、肝臓を含む全身の臓器に影響を及ぼすことのある病気です。肝機能異常がある場合、病気の活動性だけでなく、薬の副作用や合併症、生活習慣の影響も広い視点で考える必要があります。

気になる症状や検査結果があるときは、自己判断せず主治医に相談しましょう。

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