みなさん、こんにちは。久々のブログとなってしまいました。家族に尿路感染症になって入院が必要だったので、その看護をしていました。
そのため、今回は、クローン病と「尿路感染症(UTI)」*について取り上げたいと思います。
「クローン病って腸の病気じゃないの?」「尿の感染と関係あるの?」と不思議に思われるかもしれませんが、実はいくつかの理由でクローン病の人は尿路感染を起こしやすいと言われています。
そもそも、尿路感染症ってなに?
尿路感染症(UTI)は、膀胱や尿道、腎臓などに細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。
特に女性に多い感染症ですが、クローン病の人も注意が必要なんです。
なぜクローン病だとUTIが起こりやすいの?
① 腸と膀胱のあいだに「通り道(瘻孔)」ができることがある
クローン病では、炎症がひどくなると腸と別の臓器がくっついてトンネルのような穴(瘻孔:ろうこう)ができることがあります。
中でも多いのが、腸と膀胱がつながる「腸膀胱瘻」という状態。
これがあると、腸内のばい菌が膀胱に入ってしまい、尿路感染が何度も起こる原因になります。
🔍「何度も膀胱炎になる」「抗生剤が効かない」という方は、一度この腸膀胱瘻を疑ってもらうといいかもしれません。
② 治療で使う薬が感染症を起こしやすくする
クローン病の治療では、ステロイドや免疫をおさえる薬(アザチオプリン、生物学的製剤など)を使うことがよくあります。
これらの薬は炎症を抑える一方で、体の感染に対する防御力も弱くなってしまうため、普通ならかからないような感染症にもかかりやすくなります。
③ 腸の手術を受けた後の体の変化
腸の手術を受けたあと、膀胱や尿道の位置関係や動きが変わることがあり、尿が溜まりやすくなってしまうことがあります。
これもUTIのリスクになります。
こんな症状があれば注意
- 排尿時に痛みがある(排尿痛)
- 頻繁にトイレに行く(頻尿)
- 濁った尿が出る、臭いが強い
- 腰や背中の痛み(腎臓にまで感染が広がると起きやすい)
- 発熱(特に理由のない高熱)
これらがあれば、早めに泌尿器科での診察や尿検査を受けてください。
まとめ:クローン病とUTIは無関係じゃない
理由 | 内容 |
---|---|
瘻孔形成 | 腸と膀胱がつながると細菌が膀胱に侵入しやすくなる |
免疫抑制 | 治療薬で免疫力が下がり、感染症にかかりやすくなる |
手術の影響 | 手術後の構造変化で尿の流れが悪くなることがある |
最後に(実体験を交えて)
私自身もクローン病が尿の感染と関係しているとは記事を書くまでは思いませんでした。実際に家族に尿路感染症の人がでると、不安になり詳しく自分で調べてみたり、医師に聞くことが増えました。
自分も医療従事者で、職場で尿路感染症の人と何人もお会いしてきましたが、全然病気のことをわかっていませんでした。ましてや、クローン病の自分と尿路感染症にも関連があるとは・・・。
「風邪じゃないのに熱が続く」「膀胱炎が治りづらい」というクローン病患者の方は、一度クローン病との関連も疑ってみてくださいね。
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