みなさん、こんにちは。今回は「クローン病の腹痛」について少し深掘りしてみたいと思います。
患者会で知り合った友人の話をご本人に許可をもらい、今回はブログにまとめていきたいと思います。
下痢や血便といった症状もなく、血液検査の炎症値(CRP)も0.01以下と正常なのに、なぜか腹痛が続いているという経験をしたそうです。
「炎症はないって言われたけど、じゃあなんでお腹が痛いの?」
「もう悪くなってるの?」
と心配になった方も少なくないと思います。
同じように悩んでいる方の参考になればと思い、今回は炎症がなくても腹痛が出る原因についてまとめました。
炎症がないのに腹痛?考えられる原因5つ
① 腸の狭窄(きょうさく)や癒着
過去の炎症の影響で、腸が狭くなったり癒着してしまうと、食後などに痛みが出ることがあります。
これは「炎症」ではないため、血液検査の数値に現れません。
- 食後にお腹が張る
- 排便後もスッキリしない
- 少しの食事で苦しくなる
といった症状がある場合は、腸の狭窄や癒着が原因かもしれません。
👉 造影CTや内視鏡検査で確認できます。
② 過敏性腸症候群(IBS)との合併
クローン病の方は、腸が敏感になりやすく、IBS(過敏性腸症候群)を併発することもあります。
- ストレスや緊張で痛くなる
- ガスがたまりやすい
- 排便しても痛みが残る
こうした症状がある場合、腸の働きそのものが過敏になっている可能性があります。
👉 整腸剤、低FODMAP食、ストレスケアが効果的なこともあります。
③ 小腸内細菌異常増殖(SIBO)
腸内バランスが崩れて、小腸で細菌が異常に増えることで痛みやガスが発生します。
- 食後に強い膨満感
- ゲップやガスが多い
- 下痢や便秘を繰り返す
といった場合は、**SIBO(シーボ)**が疑われます。
👉 呼気検査で診断でき、**抗生物質(リファキシミン)**で改善することも。
④ 胆汁性下痢や再吸収障害(回腸病変がある方)
クローン病で回腸が病変部位だったり、手術で切除されている場合は、胆汁酸がうまく再吸収されずに下痢や腹痛の原因になることがあります。
👉 この場合は、コレスチラミンなどの薬が処方されることも。
⑤ 微小な炎症・瘻孔の前段階
一見、血液検査で異常がなくても、ごく小さな炎症や瘻孔(腸のトンネル)が形成されかけているケースもあります。
- だるさ、軽い発熱
- 局所的な腹痛
- 長く続く不快感
などがあるときは、MRIやエコーなどの画像検査で早期発見できることも。
医師に相談するときのポイント
「炎症はないと言われたけど、痛みが続いていて不安」と伝える際は、
「狭窄やSIBOなど、機能的・器質的な原因も含めて検査してほしいです」
と伝えると、より深い検査(CT・MRI・内視鏡など)に進めるかもしれません。
おわりに
クローン病と付き合っていると、「炎症数値は正常なのに体調が悪い」という矛盾に悩むことがあります。私も毎回の受診で血液検査をして炎症数値や栄養状態を確認しています。それでも腹痛になることもありますし、下痢もします。年1回は口や肛門からの内視鏡検査を行ってじかに検査をしてもらうようにしています。
今回紹介したように、腹痛の背景には「炎症以外の要因」もたくさんあります。気になる症状があれば、早めに主治医と相談してみてください
コメント