♯61潰瘍性大腸炎とは?患者数や特徴、芸能人の体験、最新の治療法まで解説

医療関連(症状、薬など)

みなさん、こんにちは。今日は大腸疾患の中で、潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)について取り上げたいと思います。潰瘍性大腸炎は、指定難病のひとつとして知られる大腸の慢性炎症性疾患です。患者数は年々増加しており、社会的な認知も高まってきました。本記事では、病態の特徴から有名人の体験談、最新の治療法、さらにクローン病との違いまでをわかりやすく整理します。


📊 日本の患者数

  • 厚生労働省のデータによると、2023年時点で約22万人が潰瘍性大腸炎に罹患しています。
  • 特に 20〜40代の若い世代に多く、小児や高齢者にも発症例があります。
  • 日本では食生活の欧米化や生活習慣の影響も関与していると考えられています。

🩺 病態の特徴

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症と潰瘍が生じる自己免疫性疾患です。

特徴内容
炎症の広がり直腸から始まり、大腸全体に連続的に広がる
主な症状下痢(しぶり腹)、血便、腹痛、発熱、体重減少
経過寛解(症状が落ち着く)と再燃(症状が悪化)を繰り返す

🔎 潰瘍性大腸炎とクローン病の違い

同じ「炎症性腸疾患(IBD)」に分類される潰瘍性大腸炎とクローン病ですが、病態には大きな違いがあります。

項目潰瘍性大腸炎クローン病
炎症の部位大腸のみ口から肛門まで消化管のどこでも
炎症の広がり直腸から連続的に広がる跳び跳び(非連続的)に発生
炎症の深さ粘膜層に限局腸壁の全層に及ぶ
主な症状血便、下痢、腹痛下痢、腹痛、体重減少、瘻孔や狭窄
手術後大腸全摘で根治可能手術しても再発しやすい

このように、潰瘍性大腸炎は「大腸に限局し連続的な炎症」が特徴であるのに対し、クローン病は「消化管のどこでも跳び跳びに炎症」が起こる点が大きな違いです。


🎤 公表している芸能人

潰瘍性大腸炎は、著名人の公表によって広く知られるようになりました。

  • えなりかずき(俳優)
  • 杉山裕之(我が家)(お笑い芸人)
  • 北村有紀(アナウンサー)
  • 【海外】シェリル・クロウ(歌手)

💊 治療法と使用される薬

潰瘍性大腸炎は完治が難しい病気ですが、薬や手術によってコントロールが可能です。

主な治療法

  1. 薬物療法
    • 5-ASA製剤(メサラジン、サラゾスルファピリジン)
    • ステロイド(プレドニゾロンなど)
    • 免疫調節薬(アザチオプリンなど)
    • 生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ、シンポニー、エンタイビオ、ステラーラ)
    • JAK阻害薬(ゼルヤンツ、リンヴォック)
  2. 外科手術
    • 重症例や薬剤が効かない場合は 大腸全摘術 を行い、根治を目指す。
    • 手術後は人工肛門や回腸嚢(J型回腸嚢肛門吻合術)が必要になることもある。

✅ まとめ

潰瘍性大腸炎は、日本で患者数が増加している慢性の大腸炎症疾患です。血便や下痢が主な症状で、寛解と再燃を繰り返すのが特徴。クローン病と比較すると「炎症の範囲」と「治療後の経過」に大きな違いがあります。しかし服薬する薬は共通の物もあり、何かと似ている点もあります。

現在は薬物療法の進歩により、生活の質を維持しながら治療を続けられる患者さんも増えています。著名人の体験談をきっかけに病気の存在が広まりつつあり、「早期発見・早期治療」がとても大切です。

次回の記事では患者会で知り合った潰瘍性大腸炎の方の生活を、ご本人に許可をいただいたので、一部だけお伝えしていきたいと思います。

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