前回の記事でお医者さんは
貧血、炎症、栄養の項目を血液検査で見ていることを取り上げました。
今回は貧血の血液項目について少し深堀をしていきます。
貧血かどうかを見分けるには、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン、ヘマトクリットの項目をみます。
ここで大切なのは
「前回の血液数値より値が下がっていないか」
「正常値の範囲内か」
を確認しましょう。
もし数値が急な下がり方をしていれば
主治医に相談をしましょう。
じつは、クローンの悪化が原因で起こる貧血は、
出血が続くことによって起こる「鉄欠乏性貧血(小球性貧血)」と
免疫抑制剤をはじめとする薬の影響やビタミンが吸収できないことによって起こる「大球性貧血」があります。
鉄欠乏性貧血になると、フェリチン(体内で鉄をためておくたんぱく質)が低値になります。
もう一つ見分けるポイントとして
鉄欠乏性貧血では平均赤血球容積(MCV)が下がり、大球性貧血では上がります。
MCVの値でどちらの貧血のタイプかわかります。
細かい話になると
「鉄欠乏性貧血」と「大球性貧血」とは全く別物です。
鉄欠乏性貧血を改善するにはクローンの病状(炎症値や出血状態など)を良くする必要があります。
また、鉄が不足しているので「鉄剤」で補給する必要があります。
一方、薬による大球性貧血であれば、
原因となっている薬をやめる必要があります。
ビタミン不足による大球性貧血であれば、ビタミンを補う必要があります。
このように貧血ひとつとっても原因はさまざまです。
自分だけで判断せず、医師と相談をしながら治療をしていきましょう。
次回は炎症と栄養について詳しく取り上げます。
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