※本記事は個人の体験と、公的機関が公開している情報をもとに書いています。
通院のたびに、紙の受給者証・自己負担上限額管理票・マイナンバーカードと、財布の中を探している人向けです。結論から言うと、マイナンバーカードを指定難病の受給者証として使える仕組みがすでに動いています。東京都は対応済みでした。ただし「カード1枚で全部OK」ではありません。私はこれを最近まで知らなかったので、次の通院で試す前に調べたことをまとめます。
私は9年間、毎回紙の受給者証を持参していた
クローン病歴9年。通院は3か月に1回で、窓口ではいつも次の3点を出しています。
- 紙の特定医療費(指定難病)受給者証
- 医療費を記載してもらう紙(自己負担上限額管理票)
- マイナンバーカード
薬局でも同じ3点を出します。マイナ保険証としてはすでに使っていたのですが、「受給者証としても使える」という案内は、病院からも薬局からも自治体からも見聞きした記憶がありません。完全に見落としていました。
受給者証の申請・更新については、以前クローン病の医療費助成|私が利用している難病の補助制度にも書きました。
仕組みの名前は「PMH」。すでに全国に広がっている
デジタル庁が開発した「自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub、通称PMH)」という基盤があります。自治体が持っている受給者証の情報を、医療機関側が確認できるようにする仕組みです。
デジタル庁の公表によると、参加自治体は2024年度末時点の183自治体から、2026年6月7日時点で608自治体へ拡大し、全622自治体への到達が見込まれています。利用できる医療機関・薬局も、2025年4月の約2.5万施設から2026年3月には約6.9万施設に増えました。
思っていたよりずっと進んでいた、というのが正直な感想です。
東京都の指定難病は、すでに対応している
東京都の難病医療費助成制度は、このPMHの先行実施事業に令和6年度に採択され、令和7年3月31日から運用を開始しています。
東京都の案内によると、マイナ保険証を利用している人が都内の対応医療機関・薬局を受診する際、マイナンバーカード1枚で特定医療費(指定難病)受給者証としても利用できるようになっています。
つまり、東京都で受給者証を持っている私は、すでに対象でした。
使い方は4ステップだけ
自治体の案内をまとめると、手順はシンプルです。
- マイナポータルで、マイナンバーカードの健康保険証としての利用登録を行う(すでにマイナ保険証を使っている人は済んでいます)
- 医療機関・薬局の窓口で、読み取り機にマイナンバーカードをかざす
- 「医療費助成の各種受給者証を利用しますか」と表示されたら「利用する」を選ぶ
- 資格情報が確認できれば完了
普段マイナ保険証を使っている人なら、追加の手続きは何もなく、画面で「利用する」を押すだけということになります。
気になった点・正直なデメリット
ここが一番書きたかったところです。調べてみて「思っていたのと違う」と感じた点が3つありました。
自己負担上限額管理票は、紙のまま
これが最大のポイントです。自治体の案内には、自己負担上限額管理票は電子化されていないため、これまでどおり紙で持参・毎回提示が必要と明記されています。
つまり私の場合、窓口に出すものは3点から2点に減るだけ。「カード1枚で受診」にはなりません。管理票への記入待ちも従来どおり発生します。
すべての医療機関・薬局で使えるわけではない
対応するには医療機関側のシステム改修が必要なので、対応済みかどうかは施設ごとに違います。対応していない場合は、これまでどおり紙の受給者証が必要です。
私自身、かかりつけの病院と薬局が対応済みかどうかは、まだ確認できていません(調べ方は後述します)。
エラーが起きたら結局、紙が必要
読み取りエラー等で確認できない場合、医療機関から求められたら受給者証の提示が必要、と案内されています。
私は以前、マイナ保険証の読み取りでエラーが出たことがあります。そのときは機械を再起動したら復旧しましたが、あのとき紙を持っていなかったらどうなっていたかな、と今になって思います。
なお、紙の受給者証の交付は引き続き行われるので、当面は紙も持ち歩くのが現実的だと私は考えています。
正直に言うと、少し不安もある
便利だと思う一方で、不安がないわけではありません。
私が一番気になっているのは、他の人のデータが自分の情報として登録されてしまわないかという点です。仕組みを理解しているわけではないので、漠然とした不安ではあります。
ただ、自分の医療情報を自分で確認できるようになるのは、素直にありがたいとも感じています。便利さと不安、どちらもあるというのが今の正直な気持ちです。
同じように迷っている方もいると思うので、「紙の受給者証も引き続き使える」という点は、安心材料として書いておきます。使うか使わないかは選べます。
かかりつけが対応しているかを調べる方法
自分の通う病院・薬局が対応済みかを確認する方法は3つあります。
- デジタル庁のサイトで公開されている「医療費助成オンライン資格確認の導入済み医療機関・薬局リスト」を見る
- 東京都のサイトで公開されている都内の対応医療機関・薬局リストを見る
- 一番確実なのは、窓口で直接聞くこと
私は次回の通院時に、病院と薬局の窓口で「マイナンバーカードを受給者証として使えますか」と聞いてみようと思っています。結果はまた記事にします。
まとめ
- マイナンバーカードを指定難病の受給者証として使える仕組み(PMH)はすでに動いている
- 東京都は対応済み。全国でも自治体・医療機関ともに急速に広がっている
- ただし自己負担上限額管理票は紙のまま。持ち物は減るが、ゼロにはならない
- 対応していない施設もあり、エラー時は紙が必要。当面は紙も持っておくのが安心
- 紙の受給者証も引き続き交付されるので、無理に切り替える必要はない
「知らなかった」で損をしないように、まずは自分の自治体とかかりつけが対応しているか、確認するところからだと思います。
高額療養費制度の2026年8月からの引き上げについては、高額療養費2026年8月から引き上げ|受給者証があっても要注意?にまとめています。
参考にした情報
- デジタル庁「自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub:PMH)」 https://www.digital.go.jp/policies/health/public-medical-hub
- 東京都 難病ポータルサイト「PMH(Public Medical Hub)先行実施事業について」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/seido/pmh
- 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
※個人の体験談です。制度の内容や対応状況は変更されることがあります。最新の情報は、お住まいの自治体・保健所、および受診される医療機関・薬局にご確認ください。食事や治療については必ず主治医にご相談ください。

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